世界最高峰の羽毛「アイスランド産アイダーダウン」

アイダーダック
和名:ホンケワタガモ
英名:Common Eider
学名:Somateria mollissima(ソマテリアモリッシマ)


羽毛クラス:★★★★★★★

 
アイダーダックとは?

アイダーダック(和名:ホンケワタガモ 学名:Somateria mollissima)は、ある特別な性質を持つ羽毛で知られる水鳥です。

この水鳥は、IUCN(国際自然保護連合)によって準絶滅危惧種(Near Threatened)に指定されており、国際的な保護の対象となっています。

アイダーダックは、毎年5月後半から6月前半にかけて巣作りの時期を迎えます。
この時、母鳥は自らのダウンを引き抜き、それを巣に敷き詰めて卵をやさしく保温します。
このダウンによって厳しい寒さを乗り越え、卵が孵化します 。

その雛(ひな)が母鳥と共に巣立った後、残された貴重なアイダーダックの羽毛を農夫たちが手で丁寧に採取します。
その為、飼育されている一般的なグースやダックとは全く異なり、天然の水鳥の羽毛となります。

アイダーダウン(アイダーダックの羽毛)は極めて希少で、世界中で採取される量は年間わずか2,000kg程度しかありません。

つまり、世界中でも年間2,000枚程度の布団分しか採取できないほど希少な羽毛です。
 
左:メス 右:オス
アイダーダックの巣
世界最高峰の羽毛 アイダーダウンの特徴

アイダーダックの巣から採取される羽毛「アイダーダウン」は、その独特の性質から最も優れた羽毛として世界中で高く評価されています。

この羽毛の最大の特徴は、ダウン同士が絡み合う「スティッキー性」という特性です。
一般的な羽毛はダウン1つ1つが独立してバラバラの状態ですが、アイダーダウンは互いに絡み合って一つの大きな塊を作ります。
 
一つの大きな塊になることで温まった空気を閉じ込め、他に羽毛には無い優れた保温性を生み出します。
写真のように手のひらに乗せると、すぐにじんわりと暖かくなります。

更に、通常の羽毛が使用する内に生地との摩擦で徐々に傷んで劣化するのに対し、アイダーダウンは絡み合って大きな塊になることで傷みにくくなります。

つまり、アイダーダウンは他のどの羽毛よりも保温性に優れ、リフォームを繰り返すことで何度でも再生できる正に理想的な羽毛と言えます。
実際の羽毛の品質を、是非動画でご覧ください。
【重要】アイダーダウンを模倣した羽毛にご注意!!

以前からですが、未だにアイダーダウンに似せた名前のグースやダックの羽毛が販売されています。
「マイルドアイダーダウン」「ネオアイダーダウン」「アイダリッシュダウン」等‥すべてアイダーダウンを模倣した羽毛です。
誠に残念ながら、アイダーダウンが高価で取引されるが故に、アイダー風な羽毛として安価な価格で出回っています。
(数万円程度のものもありますが、中には数十万円するものも‥)

『アイダーダウンに似て、絡みがあるダウンで快適』
『アイダーダックのような野生(天然)ではなく、飼育された水鳥なので安い』
『アイダーダウンよりも嵩が出るので、暖かい』

このような紹介がされていますが、実際にはダウンが絡み合わなかったり、絡み合ったとしても度合いが非常に弱く、本物のアイダーダウンとは似て非なる全く別の羽毛です。

マザーグースダウンから大きなダウンだけを選別したような実際にアイダーダウンの品質に近づけた上質な羽毛であれば別ですが、単にアイダーの名前を借りただけの羽毛にはご注意ください。
 
マイルドアイダーダウンとラベルに表示
実際に中に入っていた羽毛
アイダーダックの生息地に適した国「アイスランド」

【アイスランド国の情報】
面積 約10.3万㎢
人口 約38万人
首都 レイキャビク
言語 アイスランド語
通貨 アイスランドクローナ
(1kr = 約1.08円)

アイスランドはヨーロッパ最北端にあり、北極圏内に位置します。
主な産業は水産業で、水産物の輸出が経済において大きな比重を占めています。

たくさんの火山と豊富な温泉、そして氷河とフィヨルド(湾)に囲まれたアイスランドは、人口密度がとても低く、自然が手つかずの状態で多く残っています。
この自然豊かな環境が、アイダーダックにとって最適な生息地となっており、全国にわたって生息しています。

その中でも、特に「ウエストフィヨルド」と呼ばれる北西地方は、アイスランド国内でも有数のアイダーダックの生息地になります。
 
国内のアイダーダックの主要な生息地

アイスランドの様々な地域に、アイダーダックが生息しています。
特に、北西部に位置するウエストフィヨルドのブレイザフィヨルズル湾内は、2,000~3,000の小さな島が点在し、アイダーダックにとって理想的な環境で主要な生息地の一つです。
 
赤い丸印が生息地
アイダーダック羽毛布団の製造風景

アイダーダウンの羽毛布団は、店舗に隣接する自社製造所で1枚ずつ手作業で製造しています。

国内で縫製された上質な側生地に、ダウンを計量しながら1マスずつ丁寧に入れていきます。
実際の作業風景を動画でご覧ください。
 
★7 逸品アイダーダック羽毛布団をご紹介

アイダーダウンを使用した羽毛布団を3種類の厚みでご用意しています。
ご希望の厚み(羽毛量)やサイズでもお作りできますので、お気軽にご相談ください。
 
★7 アイダーダック羽毛布団の注文事例

実際にご注文いただいた事例を紹介しています。
是非ご参考ください。
 
アイダーダックの生息地を訪問

アイダーダックがどのように育ち、羽毛が採取され、精毛加工されているのかを確認する為にアイスランドを訪問しました。
是非、訪問記をご覧ください。
 
今回訪問した「Flatey(フラトエイ島)」と「Æðey(アイズエイ島)」

今回、主要な生息地区の北西部ウエストフィヨルドで「Flatey(フラトエイ島)」と「Æðey(アイズエイ島)」の2つの島を訪問いたしました。

直行便が無い為、ドイツ経由で首都レイキャビクに入国し、そこから車・フェリー・ボートを乗り継ぎ、島までの移動には合計24時間以上かかりました。

Flatey(フラトエイ島)
アイダーダックの生息地が最も密生しているブレイザフィヨルズル湾内にある島。
ほとんど起伏が無く、アイスランド語で「平らな島」という意味の名前が付けられています。

Æðey(アイズエイ島)
フラトエイ島のあるブレイザフィヨルズル湾より北に位置するイーサフィヤルザルデュープ湾内にあります。
ケワタガモの主要な生息地で、アイスランド語でも「ケワタガモの島」という名前が付けられています。
 
フェリーとボートを乗り継いでFlatey(フラトエイ島)へ

まず、首都レイキャビクからフェリー乗り場まで車で向かい、フェリーで4時間かけて島へ向かいます。
その後、小型ボートに乗り換えて改めて1時間かけてフラトエイ島へ。
 
ボートで船着き場に到着すると、早速アイダーダックが出迎えてくれました。
フラトエイ島を含むブレイザフィヨルズル湾内の島々では、至る所にアイダーダックが生息しています。
 
Flatey(フラトエイ島)に到着

長時間かかりましたが、ようやくフラトエイ島に到着しました。
ここはアイスランド語で「平らな島」という名前が付けられていますが、その名の通りの風景が広がっています。

一面に広がる壮大な自然と清潔な環境は、アイダーダックにとって非常に理想的な生息地になっています。
 
島に住む子供たちが出迎えてくれました。
この小さな島では、案内してくれたErla氏のご家族と親族の方しか住んでおらず、アイダーダックを天敵から守ったり羽毛を採取して生活しています。

ご家族の方が島々を案内してくれました。
 
野生のアイダーダックと巣や遊び場

島では、アイダーダックが島中に巣を作っています。
たくさんの巣やアイダーダック達と出会うことができました。
 
島には大きな池があり、アイダーダックの子育てと遊びの場になっていました。
この池は外敵から隠れて身を守りやすく、また自然の天候による影響を受けにくく、アイダーダックのヒナが育つ為の好条件が揃っていて、とても過ごしやすい環境です。
 
親子や家族が仲良く、のびのびと過ごしています。
 
ヒナの集団と出会い、私もちょこっと抱っこしました。
とても可愛く、みんな仲良しで暮らしています。
 
次は「Æðey(アイズエイ島)」を訪問

まずは、車でボート乗り場まで向かいます。
8時間という超長距離でしたが、その間にすれ違った車は何と僅か21台‼
如何に何も無い手付かずの大自然ということが身に染みて分かりました。

その後、小型ボートでアイズエイ島に向かいます。
 
アイズエイ島に到着

ボートで40分程度向かうと、アイズエイ島に到着しました。
この島は、わずか1家族しか住んでおらず、Flatey(フラトエイ島)以上に大自然に恵まれています。
 
Flatey(フラトエイ島)と同様に、こちらもアイダーダック達が出迎えてくれました。
 
たくさんのアイダーダック達と巣

アイズエイ島も大自然に囲まれていて、アイダーダックの楽園となっています。
島中にアイダーダックがのびのびと暮らしています。
 
ここでも、フラトエイ島と同様にたくさんの巣を見つけることができました。
 
アイダーダックの天敵と生存率

大自然に囲まれてのびのびと暮らすアイダーダックですが、実はヒナが成長して親鳥になる生存率は、わずか10%と言われています。
つまり、10羽のヒナが居ても1羽しか親鳥になれません。

その理由は、主にアイダーダックの天敵による捕食となります。
アイスランドでは、キツネやカモメ、テン、カラスなどの捕食者が生息しています。
 
その為、アイスランドの農夫たちはアイダーダックを天敵から守るためにライフルを常備しています。

アイダーダックを天敵から守り、その恩恵としてアイダーダウンを有難く頂戴する、正にアイダーダックとの共存で生活しています。
 
アイダーダウンの採取方法

アイダーダックのヒナが成長して巣立ったあと、残った羽毛を巣から手で丁寧に採取します。
 
ヒナが巣立った後の巣
人の手で丁寧に採取
巣1つの採取量と世界全体の羽毛量

1つの巣から採取できる量は、わずか15~20g程度しかありません。
その為、1枚の羽毛布団(1.0kg)を作るのに、50~60個以上の巣分の羽毛が必要になります。

アイダーダックの羽毛量は世界中でも2,000~3,000kg程度ですので、非常に限られた希少な羽毛となります。
 
採取された羽毛
巣1つ分の羽毛(17g)
アイダーダウンの精毛加工(採取後の一次加工)

採取されたばかりのアイダーダウンは、汚れていて藁(ワラ)などのゴミも付着しています。
その為、採取後すぐに殺菌することが品質を左右する重要なポイントになります。

島の中心部に加工場があり、そこでまずは採取後のアイダーダウンをしばらく乾燥します。
 
その後、専用の機械で殺菌・乾燥します。
また、藁などのゴミを除じん機で取り除きます。
 
専用の殺菌・乾燥機
除じん機(ゴミ取り機)
第一次加工を終えたアイダーダウン。
まだ藁などのゴミが残っています。
これから、本島に輸送して洗浄・除じん加工を行います。
 
まだゴミが残っています
今回は、2ベール(約30kg)を本島に持ち帰ります。
ベールには、どこの原料かトレースできるようにラベルが付けられています。
 
2ベールで約30kg
ベールに付けられたラベル
一次加工後、本島の加工場へ輸送

乾燥して除じん機でゴミを取り除いた後、本島の加工場に輸送します。
名残惜しいですが、島とはここでお別れになります。
子供たちやオーナーのファミリーが見送りに来てくれました。
 
一次加工場からボート乗り場まで運びます
ご家族とお別れ‥
小型ボートからフェリーに乗り換えます。
海の交通のフェリーは、島の人にとって大切な交通手段です。
 
アイダーダウンを輸送用ボックスへ
奥に見えるフェリーで本島まで輸送
本島に無事到着しました。
これから、洗浄・乾燥・2度目のゴミ取り加工を行います。
 
最終仕上げ(殺菌・ゴミの除去・洗浄)

まず、150℃の高温で再度しっかりと殺菌・乾燥します。
その後、除じん機で改めてゴミを取り除きます。
 
150℃で殺菌、乾燥
除じん機でゴミ取り
除じん機は細かい網目状になっています。
徐々に綺麗なアイダーダウンになっていきます。
 
除じん機の中は網目状
羽毛がどんどん綺麗になります
機械でゴミを取り除いた後、手選別で再度ゴミを取り除きます。
藁や羽根、細かなゴミ等の不純物を出来るかぎり取り除き、究極のダウン率 98%まで高めていきます。
 
機械で取り切れない羽根やゴミを手で除去
取り除かれた羽根やゴミ
ゴミを取り除いた後、洗浄します。
専用の洗剤を使用し、2回洗浄します。
 
手で丁寧に押し洗い
2回目の洗浄
羽毛専用の洗剤を使用
全ての工程を終えたアイダーダウン

全ての加工処理を終えたアイダーダウンは、採取時の汚れや匂いが無くなり、とても清潔で絡みの強い上質なダウンに生まれ変わりました。

当店で生地に入れているアイダーダウンは、上質なダウンに仕上がるように人の手で長い時間をかけて丁寧に採取・加工されているという事を、改めて認識できました。

匂いが無く、絡みの強い上質なアイダーダウンで、快適な夜をお過ごしください。
 
仕上がった清潔なアイダーダウン
絡みが強く、とても上質

アイダーダック羽毛布団のリフォーム

長く使われたアイダーダックダウン羽毛布団は、リフォームする事で膨らむ力が再生して改めて快適にお使いいただけます。

リフォームは、海外製品及び他社製品も承ります。

リフォームの詳細は、こちらでご覧いただけます。お気軽に、羽毛布団専門店の当店までお問い合わせください。

アイダーダック羽毛布団のリフォームは「こちら
 

プレミアムダウンウォッシュ加工
アイダーダウン羽毛布団のリフォーム事例

アイダーダウン羽毛布団をリフォームした事例を紹介しています。
20年や30年などの古い羽毛布団や他店・海外製、ラベル/タグが消えていても問題ございません。
どうぞお気軽にご相談ください。
 
実際のリフォーム事例を動画でもご覧いただけます。
 
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羽毛ふとん専門工房の出口雅昭です。お気軽にお尋ねください。
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