羽毛の種類
また、寝具に使われる羽毛は、水鳥のダウンとフェザーだけが使われています。陸鳥のフェザーは寝具には適しておりません。ですから、羽毛の種類は水鳥の種類だけあります。

◆羽毛ふとんによく使われる水鳥の羽毛
●一般的に羽毛布団に使われる水鳥の種類には、主として 家禽(飼育されている水鳥のこと)されているグースとダックがあります。
●グース(鵞鳥・ガチョウ)は、ハイイロガンを家禽をして品種改良し続けて つくられた水鳥が左 の「グース(鵞鳥)」で、ダック(家鴨・アヒル)は、カモを家禽として飼育され 同じく品種改良されて作り出されたのが 右の「ダック」なのです。
●ご覧のように、グースはダックに比べて 体格がとても大きいので、ダウンボールもそれに比例して大きいです。
●ダウンボール(羽毛=ダウンの一つ一つの個体)が大きいと、羽毛布団としては、保温性(空気層を作る事)の働きがとても優れてきますので、グースの羽毛布団はダックの羽毛布団よりも、保温性能に優れた上質な羽毛ダウンと言えます。
●一般的に高級品の価格の高い布団には、グースの羽毛布団が多く、比較的安価な羽毛布団にはダックの羽毛布団が多いのはそのためです。

◆均一的に優れた羽毛ダウンをいかに確保するか!と言うことがとても難しく、現地へ赴き、自分の目で確かめることがとても重要だと実感しています。
●ダウンとフェザーの違い
■ダウン:羽軸を持たない羽毛で通称「ダウン」と呼ばれ、形状としては、元羽軸より放射線状に羽枝と小羽軸が伸びて、タンポポの綿毛によく似ています。
■フェザー:ダウンを覆うように外側に生えて、水鳥の上着にあたります。形状は、表面より裏面に向けて羽軸があり、その両側に柔らかな羽枝があり、その左右に小羽枝が生えています。

◆グースとダックの羽毛ダウンの大きさ

●羽毛ダウンの性能の違い
下の写真は、右側の方が羽毛量は多く見えますが容器には各15gづつの羽毛が入れてあります。
この様に、カサ高性能が高い羽毛の場合には、羽毛布団に入れる羽毛量は少なくてカサのあるお布団が仕上がります。
例えば、一番右のポーランド産マザーグース「スーペリア」ダウン率98%の羽毛ですと、シングルサイズの場合に入れる羽毛の量は、800~1,000gで冬用羽毛布団としてお使いいただけますが、左端のフランス産ホワイトダックダウン90%の場合では、シングルサイズで1,400~1,500gは入れないとカサが出無くて冬用布団としては使えません。
●羽毛布団の長所は、軽くて、暖かいと言うところにありますので、羽毛ダウンの大きくて、かさ高性能の高い羽毛が高品質と言える理由です。

水鳥の種類
鵞鳥は、ハイイロガンを飼育して品種改良された「ホワイトグース」 と有色種の「シルバーグース」 があります。その中で、冬を超えて成熟したグースを「マザーグース」と呼ばれています。
そして家鴨には、マガモを飼育して品種改良された 「ホワイトダック」と有色種の「グレーダック」があります。
その他に、北極圏になど住むケワタガモ「アイダーダック」 があります。この水鳥は、地域で人と共存しながら繁殖しています。
◆アイダーダック
特に、アイスランド産の アイダーダックダウンは、世界中で絶賛されている最高峰の逸品の羽毛ダウンです。
アイスランドではアイダーダックを特別保護鳥に指定していて、決められた農家以外はアイダーダックの羽毛を採取することはできません。
■アイダーダックダウンの特徴は、繁殖のために巣に母鳥が自分の羽毛ダウンを抜いて巣に植え付けます。アイダーダックの羽毛は、羽毛の先が鍵状になっており羽毛同士が絡み合い、風で羽毛が巣から飛び散らない様になっています。
この羽毛の性質によって安定した空気層が作れるため 非常に保温能に優れています。
その特徴を生かしたアイダーダックの羽毛布団は、軽く、柔かく、温かい、まさに最高の羽毛掛け布団になります。

◆自然の育みをいただいた…大地の羽毛
毎年5月末~6月上旬にかけてのアイダーダックは繁殖地のアイスランドに鳥たちは巣に戻ってきます。
そして、厳寒から卵を守るために母鳥は自らの羽毛を抜いて巣に植え付けます。
孵化し雛鳥が巣立った後に、人間の手で巣に残されたアイダーダックのダウン(羽毛)を採取します。
★正に、アイダーダックのダウンは、自然に育まれて いただく羽毛なのです。


◆グース(鵞鳥)の種類
●水鳥の中には、若鳥の内に採取されるものもあれば、母鳥として 翌年グースを生むためのマザーグースとして育てられる親鳥のマザーグースや、有色種のシルバーグースなどがあります。
◆マザーグース
●繁殖用として成熟した、優れた体格を有し、かつ健康体の選りすぐられたグースだけが「マザーグース」となります。このマザーグースから採取された羽毛(ダウンボール)は、グースの中でも一段と大きいダウンクラスターでとても保温性に優れた羽毛です。

マザーグースの羽毛ダウン


■「逸品」のポーランド産スーペリアマザーグースの羽毛布団をご紹介
羽毛ランク:★★★★★★★
◆ホワイトグース
●当社は、主に ポーランドやハンガリーなどのより優れた飼育環境の整った水鳥農場で飼育されているグースから産出される羽毛ダウンのみを仕入れています。

◆ホワイトグースの羽毛ダウン


◆シルバーグース
シルバーグースの羽毛ダウンには、とても強いコシがあることで有名で、そのために、とても保温性能に優れています。

◆シルバーグースの羽毛ダウン


ライオンヘッドグース
このライオンヘッドグースは、グースの中でも体格が大きい水鳥です。
頭にコブのある支那グースにも似ていて、首の長いのが特徴です。

中国安徽省の水鳥農場風景


ライオンヘッドグースのダウン
通常のグースダウンよりも大きい羽毛です。


●ライオンヘッドグースの羽毛布団をご紹介
◆ホワイトダック・アヒル


ホワイトダックの羽毛ダウン


◆世界の羽毛市場の動向についてご報告
近頃、新聞紙上に掲載されてご存知の方も多いかと思いますが、2~3年程前より 世界的な羽毛原料の不足により、羽毛原料の高騰が続いております。
この厳しい近年の状況を 皆様により広くご理解を頂くために、世界の羽毛原料の状況を ご報告させていただきます。
まず、羽毛原料の供給面において、人々の食生活の変化と水鳥の飼育環境の変化 が上げられます。
第一に、食生活の変化におきましては、グース・ダックの食肉の需要の減少が年々下降し続け(ヘルシーな鶏肉への移行)、それによって、水鳥の飼育数量の減少、追手は、羽毛原料生産量の減少となってきています。
つぎに、水鳥の飼育環境の変化とは、特に、良質の羽毛原料を採取する為の方法で、水鳥を殺さずに羽毛だけを採取する「ハンドピック」による羽毛採取が禁止となり、これによって羽毛の最大採取量が極端に減少となりました。
更に、飼料の値上げなどから、飼育経費が増加した為に、通常グースの飼育には、収穫まで最短で7ヶ月もかかるリスクと、3K(きつい・汚い・危険)の厳しい職種による 後継者の不足も重なり、年々減少となってきています。
また、消費(需要)の面では、今まで生産国であった中国や東欧などの国々の生活水準が上がり、これらの国々が生産国から消費国へと移行しつつあるために羽毛の需要が拡大してきているのも この問題に拍車がかかっています。
これら多数の要因によって今後もさらに羽毛原料の高騰が続くものと思われます。
当社としましては、世界の羽毛原産地の状況を逐一把握しながら、品質重視の姿勢で羽毛確保をしていく所存です。が、今後、上質の羽毛原料を確保していく上で 、従来の羽毛原料の変更を余儀なくされる場面もでてきそうです。
この状況を皆様にお伝えすると同時に、皆様のご理解とご了承をお願いしたく、ここにご報告をさせていただきました。
今後とも当社は羽毛原料の生産や流通の現況をより確実につかみ、高品質の羽毛原料の確保に勤めて参る所存でございます。
どうぞよろしく お願い申し上げます。
平成25年8月 1日 羽毛ふとん専門工房/グートン 出口 雅昭
●羽毛布団のことなら 羽毛ふとん専門工房/グートンにお任せください。
取扱い羽毛布団は、「逸品」のアイダーダック、スーペリアマザーグース、最高品質プレミアムクラスのマザーグース羽毛布団、高品質ロイヤルクラスのホワイトグース羽毛布団、エクセルクラスの厳選の羽毛布団等、サイズ別・仕様別の羽毛布団を揃えております。
また、規格サイズ以外でご要望が多いロングロングサイズ丈長230cm・超丈長250cm・幅の広いワイドキングサイズ等、お客様のご希望とおりのカスタムオーダーメイド(別注)羽毛布団もお作りいたします。また、家で丸洗いができる「洗える羽毛布団」も取り揃えています。
●さらに、ご購入後の羽毛布団の補修・メンテナンス、長年使われたら羽毛布団の打ち直し・リフォームまで自社の羽毛工房にて受け賜ります。羽毛布団の打ち直し・リフォームは、必ず「羽毛布団の診断」をして、お客様とご相談の上で、プレミアム コース・スチーム・除塵コース・側生地のみ交換コースをお選びいただけます。リフォーム事例もご覧になられて参考下さい。

代表 出口雅昭
羽毛製品アドバイザー
ダウンプロフェッサー